『むかしむかしある所に、人間と獣人が共存する世界がありました。その中で、ある真っ白な聖獣がいました。その聖獣は神の使いとして現界にひっそりと暮らしていました。ある所に一人の人間の研究者がいました。その者は文献を見てその聖獣のことを知りました。真っ白な絹のような毛、そして宝石のような瞳をもつその姿に一目惚れしました。いつか見てみたい。そう願い彼は聖獣を探す旅に出たのです。何年も何年もかけて彼はついに1匹の聖獣を見つけることが出来ました。最初は見つめるだけでいいと思っていましたが次第に彼はあの聖獣をそばに置きたい、作りたいと思うようになりました。そして彼は1匹の聖獣を捕まえました。しかしその聖獣は捕まえ触れてみるとあっという間に死んでしまいました。研究者はとても悲しみましたがその聖獣の細胞など様々なサンプルを取りついに彼自らの手で作り出すことに成功したのです。しかしその作られた聖獣は本来の白い毛ではなく体毛が闇のように深い真っ黒な毛になってしまいました。研究者は悩みましたが、自ら作った聖獣に愛着が湧き彼を育てることにしました。しかしその聖獣の存在がどこからか漏れてしまい、沢山の商人や獣人奴隷商売人などの人達がその真っ黒な聖獣を捕まえようとしました。研究者は彼を必死に守りある森の奥に行きその聖獣に言いつけました。「よく聞きなさい。君はしばらくここにいなさい。大丈夫すぐ戻ってくるから、いい子に待ってておくれ」その聖獣はワカッタ!と顔を擦り寄せてマッテル!といいました。そして研究者は再び戻りなんとか商人たちを退けました。何ヶ月もの間必死にデマを流したりし、ついに研究所に来るものは誰もいなくなりました。その後急いで戻ってくるとそこに黒い聖獣はいなくなっており、オリジナルの聖獣がいました。「愚かしい人間よ、神の使いを作るとは愚の骨頂。あれは既に息絶えた。お前に作られたばかりにな。その悲しみを罪として一生この生が終わるまで抱え続けるがよい。」と。研究者は衝撃をうけその場にへたり込み後悔と懺悔を繰り返し呟いていたとさ。
置いていかれた黒い聖獣は健気に待ち続けました。時には寂しさで1匹で泣いたりもしましたが絶対に帰ってくると信じその場からずっと動きませんでした。しかしそれも限界がきて、ついには起き上がることも出来なくなってしまいました。その時に目の前に現れたのはオリジナルの聖獣だったのです。聖獣は驚いたように小さく黒い聖獣を見つめましたが、大事に抱き抱え「大丈夫…大丈夫よ…」と頭を撫で食べ物を与えました。少し安心した黒い獣はすぅすぅと寝息を立ててました。聖獣はこの場に残すのは危険と感じ自分たちの里に連れて帰ることにしました。そこから彼がどうなったかはまた次の話…』
「ダーくんー!!何してるの〜!今日はみんなでお花畑行くよ〜!」
「あっナオ!わかった!今行くよ!」
「ふふっ!ダーくんお花好きだもんね!」
「うん!お花好きだよ!あっそうだあのねナオ、僕花かんむり作れるようになったんだ!」
「ほんとー!?すごいな〜!大きいのにダーくんはなんでも出来て器用だね!」
「えへへ〜/////」
「これから楽しみだね!」
「うん!」
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